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【書評】「決算書ナゾトキトレーニング(村上茂久著)」


決算書ナゾトキトレーニング

7つのストーリーで学ぶファイナンス入門

【村上茂久著】」を読んだ感想として・・・・・非常に良かったです(遅まきながらですが・・・💦)
また、著者の村上氏本人と直接話す機会があり、村上氏の感想や生の声を聴かせてもらい、質問をさせていただき、考え方が変わり、決算書の新たな視点の発見がありました。

旬な会社を選んでおり、決算書だけではなく、決算書には掲載されていないビジネスモデル、KPI、企業活動の考え方などの新たな観点を身につけることができました。

初心者向けというよりも、すでに決算書をかなり読んでいる方向け(中級者以上向け)の本だと思いました。ただ、対談形式となっており、各テーマ完結型であるため、初心者でも関心があるところをつまみ読みができる書籍です。

この書籍を読むと、従来からある一般的な書籍にある決算書ではなく、
7つの旬の会社を読み解くことができ、ファイナンスやビジネスモデル、各KPI指数、無形資産の考え方等の尖った部分の知識習得が図れ、活用できます。

決算書とは、会社の事業活動の業績結果、つまり事実の数値情報であり、それをどう読み解き、活用するかによって、その決算書の利用価値が変わっていくものだと考えます。

上場会社の決算書は四半期に1度、必ず開示します。

そのため、その決算書から、数値が出る前のビジネスモデルや事業活動(アマゾンであれば、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)が優れている)を類推することもできますし、どのように評価されているか(PERが高いということは、投資から成長が期待されている)などについて、自ら考えることができるのです。

その類推ですが、その情報をどのように活用したいかにより、決算書の読み方・重要視する部分が変わってきます。

 

投資家なら、PER・PBR、成長率等により、現在の株価の評価、同業他社と比べて割安か割高か検討し、投資判断に活用できます。

また、同業者(ライバル会社)なら、その会社とのKPIや事業活動の類似点が多いものの、セグメント別売上や財務分析により、相違点や強みを類推し、自社の事業戦略に活用できます。

特に、良い気づきになったことは、新たなビジネスが出てきた場合、KPIの測定も変化していくものとだと感じました。具体的には、昔は売上の分解として数量と単価が中心でありましたが、SaaS企業等のサブスクリプションのビジネスモデルが浸透してから、LTV(顧客生涯価値)やチャーンレート(解約率)のKPIが出てきました。そして、KPIが変わればPDCAの重みづけが変わっていくことも理解できました。

・・・書籍については、こんな感じでして・・・

そして、そして・・・・ 著者の村上氏と、Zoomにて、著者の村上氏と会話する機会があり、質問することもできました。

村上氏は、ご自身でも1章から難しく、2・3章はさらに難しいと話されており、やはり中級者向けの書籍となったようです。

財務3表一体理解法【國貞克則著】などの財務3表シリーズとして普遍化され、読み続けられる書籍とは違い、決算書ナゾトキトレーニングは、企業7選とあえて旬な書籍にしたこと、ターゲットの読者をどうするか、対談方式を誰と誰にするかなどの苦労したお話も聞けて、書籍を苦労されて作られた体験談を聞けて良かったです。

あとは・・・・ 色々と話されていましたが、忘れてしまいました(笑)💦

是非、まだ読まれていない方は、購入して読んでみることをお勧めします(新書なので千円程度で買えます)。

また、個人的には、次回の書籍が出ることも、期待しております!!