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工作物責任について弁護士へ 隣地の擁壁が崩れそうな場合どうすれば?対策は?


2022年9月16日に寝屋川市のアパートを決済しました。
ただ、色々と問題を抱えている物件であり、その一つに隣地の擁壁が傾いており、物件に一部損害を与えている状況です。

その際、法的な問題とその対策をどうするか弁護士へ相談を行いましたので、そのメモを記録します。

1. 関係者
A:寝屋川市物件(当該物件) B:隣地のRC4階建物(危ない擁壁を有する) X:A建物の賃貸人

 

2. 相談内容
隣地Bの工作物の不具合として、擁壁の少し傾いており、破片が崩れている現象を事前に知った場合、隣地Aであるが当該物件について、どのように対策を取るべきですか?

例えば、工作物が落下しそうな部屋には、事前に入居者へ伝え、退去を促す必要がありますか?その場合の空室損失をAからBへ請求することができますか?

また、AがB所有の工作物の瑕疵から損害が生じることが予見されますが、それを放置した場合、第一にBの責任だと考えますが、Aの所有者にも責任が問われる可能性がありますか?

 

3. 弁護士の回答

対策の観点として、Bの所有者がどれくらいお金を持っているか、また、Bの擁壁の危険性や被害額と予見可能性がどれくらいかが焦点になります。

隣地のBの所有者がどれくらいお金を持っているかが重要です。損害を受けた賃貸人XがBへ請求しても、金銭を勝ち取ることができないとわかれば、残るAの過失に目を向け、連帯債務として損害賠償請求を行う可能性があります(その場合、AからBへ求償可能)。

ただ、これは、最悪の想定であり、A所有者へ損害請求しても、下記の通り、過失度合いや危険度予見度合いによって変わってきます。

Aの過失については、A所有者がB所有者へ注意を促す、この場合、書面、より証拠になる内容証明を出す方法等でことが足り、擁壁が崩れ前にAがBへ対策を講じる旨の裁判を起こすまでの必要性はないということでした。あと、危険度ですが、なかなか危険度を把握、予見することが難しいので、訴える側が危険度の程度を立証することはできないとのことでした。

結論:A所有者は、B所有者に対して内容証明等で通知を行う。ただ、確定測量については、必ずしも筆界=所有者ではないため、必ずしも必要がない(土地所有者と工作物の所有権は必ずしも一致しない)。

特段、入居者を退去させるまでの措置ではなく、危険を相手に知らして対策を講じてもらうように通知し、入居者へその擁壁の状況を知らせることで、Bの所有者の瑕疵への対応としては十分だと考えます(入居者が退去するかどうかは、入居者の判断で良いそうです。また、入居者)。

そして、A所有者が通知を行ったものの、Bの擁壁の対策を講じなかった場合には、最悪A所有者の財産を守るために裁判を起こす必要が出てきます・・が💦・・・・現実的ではないですね・・・😅。

訴訟になった場合、一般的に考えられる法的措置について、①債務不履行責任、②不法行為責任、③工作物責任が考えられます。ただし、隣地のBから損害をAに居住するXが受けることから、③の工作物責任として問われることはないそうです。

残り①と②ですが、①の債務不履行責任で訴訟になると考えます。債務不履行責任は、対策をやっていないことを立証することなので、②より立証しやすいためです。

以上